横顔の君
「どうしたんですか?」

「だ、だって…
この間と同じようなやりとりをしてるから、おかしくって…」

「あっ…」

照之さんが苦笑した。
本当に可愛い笑顔…



「それじゃあ、遠慮なく買っていただきます。
でも、私にもプレゼントさせて下さいね。」



結局、私はラッコのぬいぐるみを買ってもらい、その代わりに、私はペンギンのぬいぐるみをプレゼントした。



照之さんと出かける度に、思い出と一緒にこういうものまでもらったら、ますますその思い出は明確なものになる。



なのに、私の想いは伝わらない…



「あの、吉村さん…僕、ここでちょっと買い物をして帰りますので…」



やっぱりだ。
乗り換えの大きな駅で、照之さんは私から離れようとした。



「わかってます。
私と一緒のところを見られたくないんですよね?」



喉元まで出かかったその言葉を飲みこんで、私は無理して微笑んだ。



「そうですか。
今日は本当にどうもありがとうございました。
では、お先に…」



心の中とは裏腹なそんな言葉を発して、私は照之さんに手を振った。
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