横顔の君




はぁぁ~…



いただいたラッコの顔を見ていたら、それが照之さんの顔に見えて来た。



今日は本当に楽しかった。
ひとりだけなら絶対に行くはずのないイベントに参加して、今まで知らなかった世界をほんの少しだけど知ることが出来た。



相変わらず本の話題ばかりだけど、いっぱい話が出来たし、水族館に行ったのも考えてみれば子供の頃以来だし、あの頃行った水族館とは規模が違ったから、とても新鮮で楽しかった。



しかも、こんな可愛いぬいぐるみまでもらって…



私は、ラッコをベッドの片隅に置いた。



照之さんは、あのペンギンをどこに置いてくれるだろう?
まさか、ベッドになんて置かないだろうな。
っていうか、照之さんはベッドっていうより布団で寝てそうな気がする。
寝る時はパジャマなんだろうか?それとも浴衣?
つまらない疑問が次々に浮かんでは消えた。



駅で別れたことは寂しかったけど…
それでも、楽しかったこととそうじゃないことを比べたら、楽しいことの方が多い一日だった。



(うん、良かった、良かった…)



私はまたそんなことを自分に言い聞かせた。
もう余計なことは考えない。
今は良い事だけを考えて楽しもう。
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