横顔の君
「それに、僕の好みをすぐにわかってくれた。」



そんなことを言われたら、なおさら気恥ずかしくて、ますます顔が上げられない。



ところが、そうも言ってられなかった。
降りる駅に着いてしまったからだ。



「吉村さん、今日は本当にどうもありがとうございました。
えっと…これ…」

「なんですか?」

「ささやかですが、今日のお礼です。
では、また…」



押し付けるように小さな紙袋を残して、照之さんは駅の反対側の方へ歩いて行った。

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