横顔の君
*
(大丈夫、なんてことない!)
心臓が口から飛び出しそうっていうのは、きっとこういうことなんだと思った。
お昼ごはんを食べてから家を出て、それから駅前のお店を冷やかして回り、さらにはおしゃれなカフェでお茶を飲んでから、駅の反対側へ向かった。
もっと早く行くつもりだったのだけど、弱気の虫にやられ、なかなかさっさと行けなかったのだ。
そんな時は、昨日の中学生カップルのことを思い出す。
頑張らないと…!
中学生でも、あんな恋愛をしてるんだもの…!
そんな想いに背中を押され…どうにか古本屋さんの近くには来たものの、近付くに連れて足取りは重くなる。
(……負けるもんか!)
私は、重い足を無理矢理に引きずって、歩き続けた。
古本屋さんに近付く度に、不安と期待に胸が高鳴る。
(やった!やっと来れた!)
店に着くまでに、すっかり気疲れしてしまった。
でも、そんなことは言ってられないから、残った気力を振り絞り、引き戸を開けるべく手をかけた。
(あ…あれ?)
扉はびくとも開かない…
もう一度力を入れて引いてみたけど、やはり扉は開かなかった。
(……もしかして…定休日?)
がっかりする気持ちとほっとした気持ちを同時に感じた。
土曜日に休むお店は珍しいけど、でも、ここは特別な本屋さんなんだもの。
土曜日がお休みだって、きっと良いんだ。
明日また仕切りなおすことにして、その日はそのまま帰宅した。
(大丈夫、なんてことない!)
心臓が口から飛び出しそうっていうのは、きっとこういうことなんだと思った。
お昼ごはんを食べてから家を出て、それから駅前のお店を冷やかして回り、さらにはおしゃれなカフェでお茶を飲んでから、駅の反対側へ向かった。
もっと早く行くつもりだったのだけど、弱気の虫にやられ、なかなかさっさと行けなかったのだ。
そんな時は、昨日の中学生カップルのことを思い出す。
頑張らないと…!
中学生でも、あんな恋愛をしてるんだもの…!
そんな想いに背中を押され…どうにか古本屋さんの近くには来たものの、近付くに連れて足取りは重くなる。
(……負けるもんか!)
私は、重い足を無理矢理に引きずって、歩き続けた。
古本屋さんに近付く度に、不安と期待に胸が高鳴る。
(やった!やっと来れた!)
店に着くまでに、すっかり気疲れしてしまった。
でも、そんなことは言ってられないから、残った気力を振り絞り、引き戸を開けるべく手をかけた。
(あ…あれ?)
扉はびくとも開かない…
もう一度力を入れて引いてみたけど、やはり扉は開かなかった。
(……もしかして…定休日?)
がっかりする気持ちとほっとした気持ちを同時に感じた。
土曜日に休むお店は珍しいけど、でも、ここは特別な本屋さんなんだもの。
土曜日がお休みだって、きっと良いんだ。
明日また仕切りなおすことにして、その日はそのまま帰宅した。