音ちゃんにお任せ



「そういや、褒めてたぞ。綾瀬の事」

「え?」

「最近の若者には珍しく礼儀正しい素敵な女性だって」




一ノ瀬くんは悪戯っぽく笑う。
あ・・・。

一ノ瀬くんの笑顔。
なかなか見ることのできない貴重な笑顔・・・。



お父様の言葉より、そっちの方が気になってしまいました。



すみません、お父様!


恥ずかしくなって俯く。





「ほら」

「え?」

「お前、さっきからなにも食ってねぇだろ」





差し出されたお皿。
そこには少しずつ乗せられた料理。
一ノ瀬くんが私のために・・・?



か、感動です!



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