音ちゃんにお任せ



「通り雨だろ。すぐやむ」

「はい・・・」

「足、ひねったのか?」





一ノ瀬くんが私の足を気にするように視線を送る。
あ・・・、気づいてくれてた?




「こけた時に・・・」

「どおりで土まみれ・・・」

「え?あっ!」




言われて見れば、私のジャージは土で汚れていた。
気が動転しすぎて全く気付いてなかった。
だから、気づかれたのか・・・。




「足、庇ってるように見えた」

「え・・・」

「走ってる時」




さっきの・・・。
それに、気づいてくれたのですか?




胸の中が、ポッと暖かくなるのを感じた。
この気持ちは、なんだろう・・・。






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