音ちゃんにお任せ



雨で体は冷えているはずなのに、心がポカポカと温かい。
今のこの空間が、心地いいと感じる。





一ノ瀬くんが、いてくれるからでしょうか。





「あ・・・、本当だ・・・もうやみそう」





雨は勢いを弱め、次第におさまっていく。
もうすぐ、雨が上がる・・・。



この時間も、もうすぐ終わってしまうんだ。





「ん」




雨が上がると、一ノ瀬くんが私の前にしゃがみ込み背中を見せる。
ん?それは、どういう意味でしょう。




「早く」

「え、あ、の・・・」

「足、ひねってんでしょ。早く先生に見せないと」




それはもしや、おぶされという・・・!?





< 86 / 290 >

この作品をシェア

pagetop