失恋ゲーム。
「わ、たしは、このゲームが好きではありません。
でも、好きじゃないからこそ。好きになれるような最高なゲームにしたいから私は参加しました。」
少し、下向きな頭を上に上げてみた。その景色は、全然違った。皆の目もある。だけど、それ以前に沢山の人が集中して私の話を聞いていた。
「まだ、横にいる皆と出逢ってからの月日は凄く短いですが私は、この人達と一緒に。この最低なゲームを最高なゲームにしたいです。
……以上、主人公プレイヤー、畑石結愛。」
自分の思った言葉を、こんな大勢に伝えるのは難しい。中には、私の思いに反対する人もいると思う。
だけど、それでも。少しでもいいから誰か一人でも分かって欲しいと思うんだ。
「……お疲れ。」
また、ナチがポソリと呟いた。二回も私に声をかけてくれたことが奇跡に近い。
「ありがとう。」
私は、マイクをoffにしてからそうお礼を言った。