ほたるの初恋、消えた記憶
昼休み前にクラス対抗の綱引きが行われ、一組は楽勝。


ただ綱をつかんでいただけだ。


昼休みみんなが私の回りに集まって、重箱を覗く。


エビフライはあげないからね。


あ、ぁ~、あっという間に取られた。


そしてとうとう最後の競技、クラス対抗リレーだ。


なるようにしかならない、負けてもいいんだと思う事にした。


祐吾が耳元で囁く。


「大丈夫だから、ほたるは一人じゃない。」


クラスのみんなと家族の声援に顔をあげると、みんなの声が聞こえた。


《やらないうちから諦めるなんて駄目だ。》


大きく深呼吸した。


美幸が走って菜々子にバトンを渡す、それを健人が一番で受けとる。


私も一番で受け取り、必死に走った。


足がもつれて転びそうになるのを必死で堪え、走り続ける。


後、少し、もう少しで、祐吾にバトンを渡せるそう思った時、バランスをくずし転んだ。


転んだままバトンを前をつき出すと、祐吾がバトンを掴み風のように走り出す。


転んで何人かに抜かされたのに、祐吾がみんなを抜き返して走るその速さに驚く。


5人は抜いただろうか。


動けないでいる私を美幸が起こしに来てくれた。


「ほたるやったね。優勝だよ。」


表彰式が始まり、一組は総合優勝でリレーのタイムは大会新記録らしい。


嫌がる私を祐吾は、無理矢理表彰台に立たせた。


恥ずかしい。


うつむいていると、祐吾にお姫様抱っこされた。


ちょっと、何、やめてよ。


「今回の体育大会で一番頑張ったほたるを、みんなで胴上げをしたいと思います。」


凄い歓声での中での胴上げ。


恥ずかしくて、でも、ちょぴり嬉しくて。


忘れられない、最高の体育大会になった。


体育大会、最高!














































多分一生に
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