彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
視界を遮った犯人もそいつ。
そのことにイラッとしたけど、言われた言葉にもっとイラッとしたので言ってやった。
「吸わないよ!?何言ってるの、飯塚君・・・・!?」
さすがに、嫌な気持ちを隠しきれなかった。
それに気づいた飯塚は、慌てたように言う。
「あ、ごめんごめん!大声は良くなかったよねぇ~?優等生がタバコとか、バレタラヤバいもんね?」
「いいえ、そういう意味じゃないです。」
指摘したのはそっちじゃない。
〔★声ではなく、タバコの方だ★〕
ノートを返しながら失礼なこと言うイケメン。
「私、未成年で学生だから、絶対に吸うわけ――――」
そう言った後で気づく。
「あ・・・!そういえば今朝、お父さんの灰皿を片付けてきたんだった・・・・」
「あーそれか!俺鼻は良いからさ~今日の菅原さんは良い匂い以外もすると思ってさ~」
「っ!?そ、そうですか・・・」
ニコニコする姿に、また女子達がうっとりする。
悪いけど、私はうっとりにはならない。
キモッ!なにこいつ!?
生理的に受け付けられない!
ホント、カンベン!
(瑞希お兄ちゃんとチェンジしてよ、ホントに・・・!)
〔★凛が興味あるのは別の人だ★〕
「誤解がとけてよかった~ありがとうね、菅原さん!」
「いいえ、どういたしまして・・・」
(二度と来るなよ!次から、他の奴に聞けよ!)
作り笑いをしたところで、ふいに飯塚の動きが止まる。
「そうだ!宿題みせてくれたお礼に、菅原さんに最新情報を教えてあげるよ!」
「最新情報・・・?」
「そう!なんかさ~転校生が来るらしいよ。」
「転校生、ですか?」
この飯塚に、良いところがあるとすれば、情報通なところ。
どこで仕入れてくるのか、流行の情報を掴むのが早い。
内容も正確なので、そこに関しては信じていいと判断していた。
(転校生・・・・)
「それは、知らなかったです。」
「まぁね!俺、最先端行ってるから!俺らとタメで、今週中には、G組に入るらしいよ。」
(そこまで把握してんのかよ?)
〔★かなりの最先端だ★〕