彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「可児君のことも、助けた後で考えます。彼がどうしたいかもふくめて、終わってからです!今は一刻を争っている時なんですから・・・!」
「・・・それが、凛の自己満足であってもか?」
「そうです。僕の勝手な気持ちです。」
彼がどう思ってるか、わからないけど。
助けた時に、どう思うかわからない。
だけど、放っておけない。
(自分のことみたいで・・・・・・・・知らないふりはできないよ・・・・!)
私と可児君の姿が、ダブって見えた。
いじめられてからわかる、いじめられる辛さ。
助けのない孤独さ。
みじめで、悲しくて、苦しい思い。
気持ちがわかるから、救えるものなら救いたいって思っちゃダメなの?
「喧嘩と・・・今まで、俺が経験してきた喧嘩と同じじゃないですか?」
凛道蓮として、菅原凛の気持ちを口にする。
「『俺』がムカつくから、SHIELDをブッ飛ばしに行くんです。」
『漢』として、『ヤンキー』として言った。
「龍星軍の4代目頭として、つぶしに行く・・・!俺を狙ってるかもしれない刺客予備軍を消したいだけです!」
助けたい、ただそれだけ。
「それなら、反対しませんよね?」
眼を鋭くしながら聞けば、瑞希お兄ちゃんは小さくため息をつく。
「反対も何も・・・・止めろよ、涙。」
「え?」
「・・・泣きながら言うな、ばか。」
「・・・・・え?」
その言葉に合わせて、瑞希お兄ちゃんの手が目元をぬぐう。
「あれ・・・?」
言われるまでわからなかった。
「なんで・・・・?」
(私・・・泣いてるの・・・・?)
気づかなかった。
自分が泣いてることに。
「思い出し泣きでもしたか?」
「あ・・・!?ち、違います、僕は―――――――――・・・・・」
「まぁいい・・・。凛が4代目総長として、ケンカするなら何も言わねぇー」
「瑞希お兄ちゃん・・・・」
私の涙を拭きながら、初代総長は言った。
「烈司、見てやれ。」
不思議な力を持つ親友に、命じた。
「凛のために、可児を探してやれ、烈司。」
「そう言うと思ったぜ、ブラコン?」
私の望みをかなえろと言う瑞希お兄ちゃんに、烈司さんがニヒルに笑ってうなずいた。