いきなりプロポーズ!?
私はポカンとした。スマホはつながった、何の小細工もせずに。国際電話でもなんでもなく普通につながったということは松田さんは国内にいる。しかも柄の悪そうな女と。
「愛弓?」
「なんか、女の人が出て、あの……その……」
「大丈夫か、愛弓」
「あ、うん」
突然の事実発覚に私は茫然とした。何、今の女。イイコトしてるって、常套句って。私、遊ばれてたんだ……。
「はは、ははは。なんだか笑っちゃうね」
「愛弓?」
お待たせしました、とスタッフがコーヒーと紅茶を両方持ってきた。私は交互にそれをすすった。
「イイコトしてたのに邪魔すんな、どうせオーロラ見て人生観変わったから渡米するとかなんとか言われたんでしょ、それ松田さんの常套句だ、って」
「常套句? 女を捨てるときの台詞ってことか?」
「多分そうだと思う」
なんだ、私は遊ばれていたんだ。そんな奴のために私はなにを落ち込んでいたんだろう。再びコーヒーと紅茶を交互にすする。おいしい。なんだかすごく気持ちが軽くなってきた。あんな恋、忘れていいんだ。というかもう、忘れてるけど。
「愛弓」
「ん?」
低い声で呼ばれて、となりを見る。達哉が心配そうに私の顔を見つめていた。