いきなりプロポーズ!?
「え、だって、達哉は舞さんのこと……」
「ああ。舞をすべて忘れたわけじゃない。でもあいつも結婚して今は幸せにしてるし、それよりも気になる存在ができたから。俺はお前のこと……」
再び達哉の手が私の肩に置かれた。その右手は肩から首、耳に移動する。頬を包むようにして指は耳の後ろをなぞる。
「元カレなんて忘れさせてやる。俺と付き合え」
「や……」
達哉の真っ直ぐな視線に射抜かれて私は動けない。返事もできない。返事もできない私を達哉は不安げに見つめる。
「嫌か?」
「ううん……でも」
「でも?」
「もう元カレなんてとっくに忘れた。私は達哉が好き……好き!」
精一杯の声で私は達哉に言った。心臓が飛び跳ねる。達哉はふうと息を吐いて少し笑った。
「いつから? いつから俺のこと好きだった?」
「フェアバンクスのホテルで……あのプロポーズの言葉を言われたときから」
「そ」
「達哉は?」
「さあな?」
「ズルイ! おかしいじゃない自分だけ……え、きゃっ!」
達哉は私の頬に触れていた右手を下ろすと私の左手首をつかんで引いた。