いきなりプロポーズ!?
ああ、顔が近づいてくる。こめかみにキスされた。逃げたい。でも腕を掴まれてるし、怖くて立てない……。
ドン。そのとき物音がした。白い彼の肌は少しくすんだ。影だ。それは白熱灯でできたもの。私はその正体を見上げた。逆光で瞬時には分からなかったけど、目が慣れてその人物を特定した。目の前に達哉が立っていた。私をギロリとにらんだ後、隣の彼をにらんだ。
「What is your business with my wife?」
達哉は大きな二重瞼の瞳。低い声色。達哉はズンと一歩前に出て彼を見下ろして更に凄んだ。彼は私の腕を離し、すごすごと立ち上がると両手の掌を上に向けて肩をすくめた。そして部屋の片隅に退散していった。
ほっとした。助かった……。ふうと方の力が抜ける。
「バカ!」
突然、大声でどなられて私はピクリとした。
「英語も分かんねえくせにへらへらと相槌うって、思いっきり勘違いされてんだろうが!」
「だって」
「お前、今なんて言われたか分かったか? 今晩一緒に楽しもうよ、朝まではなさないぜ?って言われてたんだよ!」
「え……そ、そんなこと言ってたの?」
「それを愛想笑いでうんうんうなずきやがって。ったく、そんなことも分かんねえのかよ」
「でも」
「このまま車に連れ込まれたらどうするんだよ!」
「……ごめん」
「いいか、旅行中は俺のそばから絶対に離れるな!!」
達哉は真っ直ぐに私を見つめたあと、舌打ちして私の隣に座った。大きく息を吐き、そしてぼそりと言った。
「心配掛けるな……」
「ごめんなさい」
心配してくれてるのは十分に伝わった。自分が情けないのと同時にすごく嬉しかった。でもそれは偽の恋人として心配しているだけだ。勘違いしちゃいけない。
達哉には舞さんという女性がいる。達哉の心の中に。
ドン。そのとき物音がした。白い彼の肌は少しくすんだ。影だ。それは白熱灯でできたもの。私はその正体を見上げた。逆光で瞬時には分からなかったけど、目が慣れてその人物を特定した。目の前に達哉が立っていた。私をギロリとにらんだ後、隣の彼をにらんだ。
「What is your business with my wife?」
達哉は大きな二重瞼の瞳。低い声色。達哉はズンと一歩前に出て彼を見下ろして更に凄んだ。彼は私の腕を離し、すごすごと立ち上がると両手の掌を上に向けて肩をすくめた。そして部屋の片隅に退散していった。
ほっとした。助かった……。ふうと方の力が抜ける。
「バカ!」
突然、大声でどなられて私はピクリとした。
「英語も分かんねえくせにへらへらと相槌うって、思いっきり勘違いされてんだろうが!」
「だって」
「お前、今なんて言われたか分かったか? 今晩一緒に楽しもうよ、朝まではなさないぜ?って言われてたんだよ!」
「え……そ、そんなこと言ってたの?」
「それを愛想笑いでうんうんうなずきやがって。ったく、そんなことも分かんねえのかよ」
「でも」
「このまま車に連れ込まれたらどうするんだよ!」
「……ごめん」
「いいか、旅行中は俺のそばから絶対に離れるな!!」
達哉は真っ直ぐに私を見つめたあと、舌打ちして私の隣に座った。大きく息を吐き、そしてぼそりと言った。
「心配掛けるな……」
「ごめんなさい」
心配してくれてるのは十分に伝わった。自分が情けないのと同時にすごく嬉しかった。でもそれは偽の恋人として心配しているだけだ。勘違いしちゃいけない。
達哉には舞さんという女性がいる。達哉の心の中に。