魔王のオモチャ
〜 トヨ 視点 〜
『ふぅ……久しぶりにこんな形で喚び出されたと思ったら……
やっぱりトヨだったか〜』
俺は自分の部屋に魔法陣を描き、オヤジを喚び出した
今の俺には魔力はない
だからこの方法で喚び出すしかなかった
『トヨ、聞いたよ〜
勇者の光くんに助けてもらったんだって〜?
魔王の……いや、もう違うね
元魔王の君が、勇者に助けられるなんて〜
ねぇ、今どんな気持ち〜?』
「……………オヤジ」
『ん?なんだい??
もしかして、僕を祓う気??
僕を殺すって言ってたもんね〜?』
オヤジの下に描かれている魔法陣には少し細工がしてあり
悪魔はその魔法陣から出られないようにしてある
魔力も一切使えないので、オヤジは俺に殺されると思ったのだろう
チッ……
今すぐにでも殺してやりたいが、そうも言ってられねぇからな……
「俺を悪魔に戻せ」
『………………悪魔に戻せ?
悪魔に戻せだって!?
プッ、あはははっ…!!!
ちょ、トヨ!この状況で笑わせないでよ〜!』
オヤジは、俺の言葉に一瞬驚いた表情を見せると、お腹を抱え笑い始めた
『人間に戻したのは僕なのに
まさか、その僕に悪魔に戻せなんて……っ
あは、あはははッ!!!
あー、腹痛いっ!!プッ、あはははッ!!!』
「オヤジ。俺を悪魔にしないと
困るのは、あんたじゃないのか?」
『あは…、僕が困るだって??
トヨを悪魔にしないと何がこま…………「俺は、勇者になるぞ」………』
俺は、いつまでも笑い続けるオヤジの言葉を遮りそう言った
『勇者?勇者になるだって!?
ははっ。光くんの仲間になるってこと!?
ぷっ…あははっ!光くんに助けられたから、自分も光くんと同じ勇者になるって言いたいのかな??』
「オヤジ」
『んふっ、なんだい?』
「俺の血を飲んでみろよ」
『……………』
俺は、服を引っ張り肩を出しオヤジに言った