Chat Noir -バイオハザー度Max-



「これはですねっ!私が読むわけではなくっ」


慌てて説明しながらも雑誌を受け取る。


じゃー誰が読むってんだよ!


「別にいいスよ。俺何とも思いませんから。


俺だってほら」


溝口さんはちょっとエッチな雑誌を掲げて無理やり苦笑い。


「………意外…


溝口さんも見るんですね、そーゆう雑誌」


しかも堂々過ぎるだろ。


「ふつーに見ますよ?」


「涼子には黙っておきますよ。その代わり…」


「いいスよ、俺も朝都さんのこと誰にもいいませんから」


溝口さんは苦笑いでお金を払っている。


「だからこれはね…」言いかけて、ピンと閃くものがあった。


私は慌てて缶コーヒーを二つを買うと


「溝口さん、ついでに頼まれてくれませんか?」




―――――

―…


私はコンビニの駐車場に停めてあった溝口さんの社用車の助手席で、さっき買った雑誌を開いた。


「怪しい本でもないから構内でも見れるじゃないですか」


と言いながらも、私が賄賂で渡したコーヒーの缶に口を付けている溝口さん。


「そうですけどー……ってか、溝口さんの車くっさ!」


湿布の臭いが充満している。


「悪かったですね。午後イチで上野さんとこの研究室にマスクドホルム納品予定なんスよ」


溝口さんは後方のトランクを親指で指差し。マスクドホルム(ホルマリン液の一種)の一斗缶の山が見えた。



浩一んとこに……?





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