Chat Noir -バイオハザー度Max-
「上野さんとはどうですか?その後…」
溝口さんがちょっと心配そうに聞いてきて、私は曖昧に頷いた。
「さぁ、特に不仲ではないですけど、なんかギクシャクしちゃってるって言うか…」
「そうスか。完全に良くなるといいんですけどね」
「完全に良くなることなんてあるんですかね」
雑誌をぱらぱらめくりながら、気のない返事でぽつりと呟くと
「時間が解決してくれますって」
と溝口さんが眉を下げて無理やり笑う。
「あ、そだ。こないだ会いましたよ。
溝口さんのライバル社の女性の営業」
「女の営業……あの女狐何か言ってました!」
溝口さんが勢い込んできて、
私はその勢いに押され気味。
「つ、次はないから…とか言ってました」
「卑怯な手を使ったのは向こうじゃないスか!」
「そ…そーですね。ていうか何でそんなに仲悪いんですか。
確かにライバル業者かもしれないけど、溝口さんたちそれ以上の確執があるみたいですけど。
ちょっと異常ですよ」
私はちょっと思ったことを口にしただけなのに
「え!?」
溝口さんはまたもこっちがびっくりするぐらい動揺。
もしかして……
「あの人となにかあったんですか?昔付き合ってたとか…」
「まさか!」
溝口さんは慌てて全否定。手をブンブン振った。
「……つ、付き合ってはないんですけどね…
メーカーの懇親会のとき、酔った勢いで、昔一回…」
…………
はぁ!?