Chat Noir -バイオハザー度Max-


この研究室は研究棟の二階にある。


だから窓の外に黒猫が居るはずなんてなくて。


大学の裏庭に面していて、窓から大きな木が見えるけど。







「にゃぁ」






黒猫―――……もとい、倭人は見慣れた制服姿でその木の太い枝にしゃがんでニッと笑っていた。


げ、幻覚……?


そうだ、さっき涼子からもらった枝豆に何か入ってたんだ。


そうとしか考えられない。


それかあれだな。枝豆がおいしくって夜になってないってのに、思わずビールに手が出たか…


あれこれ考えていると、


「ビールって、あんた夕方から何やってんだよ」


と、いつものふてぶてしい呆れたような声。


って、私の心の声を何故?


「独り言でかいね」


黒猫はふっと涼しく笑う。


ふわり


風がまたも吹いて







お日様の匂い。






って、ぇえ!?









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