EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】


†††


 あっという間だった。

静理が小ビンに口をつけてから一分も経っていない。

目の間にいる小学生くらいの子供静理を見て、小鳥は胸を高鳴らせた。


(静理さんが、本当に子供に……!)


決して見ることはできないだろうと思っていた静理の過去の姿。

顔立ちも髪も瞳の色も何も変わらない。

普段の静理がそのままチビっ子になってしまっただけ、と思いきや。

「見てんじゃねーよ」

ギロリと睨まれた。

しかもいつもと口調がだいぶ違う。

「し、静理さん……?」

「チッ、なんだこの服。こんなサイズ合わないやつパクった記憶ねぇし」

文句を言いつつ大き過ぎる服をゴソゴソと直して動きやすいように整える。

なぜか妙に手慣れている感じが否めない。

それでも一応、小鳥はチビっ子静理に声を掛けた。

「手伝いましょうか?」

「は?なんだよ、お前。うざい」

「え?」

「触るな。離れろ。殺すぞ」

言葉の通り、殺気のこもった強い眼差しが小鳥へ向けられる。

あまりの豹変ぶりに小鳥はハッと思いついた。


(もしかして……中身まで子供に戻った、とか!?)


てっきり外見だけ変わるのかと思っていた小鳥は驚き過ぎてポカンと口を開けてしまった。


(ど、どうしよう!どう接すれば……!?)

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