EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】

「白魔さんっ」

「あ、小鳥」

ソファーに寝転んで楽譜を見ていた白魔が起き上がる。

彼は座り直すと自分の隣に小鳥を手招いた。

「ああ、もうこんな時間か。ごめんね。つい夢中になってたよ」

シアターの大きなスクリーンは真っ白だ。

どうやら何か見ていたわけではないらしい。

「何をしていたんですか?」

「今日買った楽譜を読んでたんだ。弾く前にメロディーを歌いながら楽譜に目を通すのが癖でさ」

白魔があそこにいた理由は同じショッピングセンターに入っている楽譜屋を訪れるためだった。

普段、動くのが怠いと言って自分の生活用品のほとんどを通販に頼る白魔だが、楽譜選びだけはこだわりがあるらしく、ちゃんと店に出向いて購入している。

「ごめんなさい。中断させちゃって…」

「別に構わないよ。音楽も良いけど、今の僕にとって優先順位は君の方が上さ」


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