強引上司の恋の手ほどき
そして二時間後、駅に到着した私たちは送迎バスに乗って今日の宿の旅館に到着した。

「すごい。今回会社も奮発したんですね」

「うん。二年に一回だからがんばったんじゃないの? それよりここのお湯すべすべになるらしいよ。早く荷物置いて入ろう」

「はい……そうですね」

美月さんの誘いもすごく魅力的なのだけど、私はそれよりもこの旅行の間に中村くんとの関係に蹴りをつけたかった。

私の中で終わりがみえているのに、いつまでも彼の“彼女”でいるわけにはいかない。

様子を見て、彼を呼びだすタイミングをうかがっていた。

しかし、団体行動をしているとなかなか彼がひとりになることはない。

宴会の間、お酒を浴びるように飲んでいる美月さんの横でも私はチャンスを伺っていた。

そして、宴会が終わり各々が流れ解散をしているときに私はようやく彼を捕まえた。

周りにはこの間フットサルのときに話をした営業課のメンバーがいたが、私は勇気を出して彼を誘った。

「中村くん……ちょっといい? 向うにお願いできる?」

「いいけど……、お前ら先にいっといて」

みんなと離れて私は彼を庭園へと呼び出した。
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