強引上司の恋の手ほどき
「なんだよ、ヤキモチか?」

私に一歩近づいてきた郡司さんから離れるように、一歩後ずさった。

「誰と会ってたんですか? その相手にチョコレートもらったんですよね?」

「義理チョコだって。そんなの気にしないで部屋に行こうぜ。お前の体にチョコ塗って食べていいんだろ?」

美月さんとの昼間の会話を聞かれていたのだろう。けれどその場をごまかすような彼のセリフに私の不安がどんどん大きくなっていく。

「どうして……誤魔化すんですか?」

「誤魔化してなんかない」

腕を掴まれたが、私はそれを振りほどいた。

「私見たんですよ。ショーットカットの女性といるの」

きっと睨みつけると、彼はバツが悪そうにそれまで私にむけていた視線をそらせた。その態度がますます私に疑念を抱かせる。

「その女性からもらったんですよね。前にもあのカフェでふたりが仲良く話をしているのをみたことがあります。誰なんですか?」

次から次へとでで来る言葉に、自分でも驚く。
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