強引上司の恋の手ほどき
「千波が気にするようなことじゃない」

「私には、関係ないってことですか? 好きな人が他の女性と会っているのを問いただすことも許されないんですか?」

胸の中の黒いモヤモヤがどんどん言葉になって飛び出していく。自分でも感情的になっているのがわかったが止められない。

「違う。本当にそういうことじゃない! ただ今はまだ話せないんだ」

両肩を掴まれて説得される。けれど私は今の彼の答えでは到底納得できなかった。

「今は話せないって、いったいいつなら話せるんですか?」

「それは——」

「いつか話すなら、今話しをしても一緒ですよね?」

「だから、はぁ……」

郡司さんは呆れたように溜息をついた。自分が責められているように感じる。

「郡司さんが教えてくれたんですよ。恋愛に大切なのは話し合うことだって」

中村くんとすれ違って上手くいかないと相談した時に、最初にもらった言葉は『ちゃんと話し合えば済む』言うことだ。

それなのに、それを言った本人が話し合うことを拒否してるなんて。
< 183 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop