強引上司の恋の手ほどき
「課長はそんなことしない! それに私がもしなにか言ったとしても、課長には人事権がないでしょ?」

彼がなにを考えているのかわからないけれど、そんなのは濡れ衣だ。

「深沢課長ならできるだろ。お偉いさんにずいぶん気に入られてるみたいだからな」

たしかに、人当たりのいい彼は上層部にも顔がきく。

こういった社内のパーティや催しではいつも、私が話したことのないような偉い人といることも多い。

「でも、課長はそんなことしない。話がそれだけなら会場に戻るね」

彼を避けて会場へと戻ろうとしたけれど、すぐに行き場を塞がれてしまう。どっちの方向へ行こうとしても、塞がれる。

行き交う社員が私達を好奇の目でみているのに気がついた。

「本当に、もうやめて人が見てるし。明日からお互い仕事がやりづらくなるよ」

「別に俺にはもう関係ねーし。こんな会社未練なんてないし」

「関係ないって、どういうこと?」

彼の言葉が気になって足を止めた。
< 199 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop