強引上司の恋の手ほどき
「もっと頭が悪いかと思ったけど、まぁそういうことだ」

ちょっと……待って。それって郡司さんが日芝の社長の息子だってこと?

そんな話一言も聞いてない。

私が彼のスーツの裾をギュッと握ると、私の方をちらりと見て小さく頷いた。

本当のことなんだ。

「どうして……日芝の御曹司がうちの会社に?」

「それは、会場で発表してるから中に入ればわかることだろうけど、お前にはそんな勇気ないだろうからここで教えてやる。JET電器と日芝は来年を目処に合併することが正式に発表になった。それまで上層部の間で合意はしていたけれど、お互いの内部の膿を出すために数年前から動いていんだ。その一環で俺はここにヘッドハンティングを装って送り込まれたってわけだ」

そんな事情があったなんて、全然知らなかった。
< 202 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop