強引上司の恋の手ほどき
その日の午後は月始めと言うこともあって、売上の取りまとめや上がってきた伝票の整理などバタバタと過ぎていった。

特に売上については、経営企画会議でも必要になってくる資料だ。今月の販売施策などに影響してくるので、月始めの大切な仕事だ。

「金子さん、この大阪の数字なんですが去年と比べて大幅に落ちてるんだけど集計ミスじないの?」

「いえ、私も気になって先ほど確認したんですが、間違っていないとのことでした」

先に調べてるなんさすが美月さん……って感心してる場合じゃないや。私もちゃんとそういうことに気が付かないと。

でもまた大阪?

支社扱いの大阪は本社に次いでマーケット規模が大きい。だからサポート部門にもかなりの人数が配置されている。ミスであれば誰も気が付かないのはおかしい。

「……そうか。ちょっと確認してみるか」

そう言うと課長は電話を取って、どこかに電話をかけ始めた。

「経理に聞いて間違いないって言ってるのに、どこに電話かけてるんですかね?」

隣にいた美月さんに聞いてみる。

「きっと私たちじゃわからないようなことが、あるのよ。それができる人だからここに配属になったんだと思う」

いつもは課長に対して軽口をたたく美月さんだったが、その信頼は厚いようだ。

「さぁ、私たちはこっちやってしまわないと、帰れないわよ」

「はい」

月末と月初は経理課にとっては忙しい時期だ。ぼーっとしてないで仕事をしないといつまでたっても帰れない。
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