強引上司の恋の手ほどき
今の私は褒められたことよりも、課長のために淹れたコーヒーを飲まれたことがショックで他のことは考える余裕がなかった。
「……使いたいんですけど、いいですか?」
すると中村くんの背後から女子社員の声が聞こえた。
中村くんが声の方を振り返ると同時に私も顔を確認する。
総務の大西さんだ。ちょっと不機嫌そうに私と中村くんを睨んでいる。
始業前とはいえ、朝の忙しい時間に邪魔になっているんだから睨まれても仕方ない。
「じゃあ、俺行くね。これ、ごちそうさま」
カップを掲げるとそのまま大西さんの脇を抜けて、廊下を歩いて行った。
ここを使うのを待っている人がいる。
私は課長のコーヒーを入れるのを諦めて、大西さんに場所を譲ることにした。
「ここどきますね」
私は自分のマグカップを持って給湯室から出ようとした。
しかし大西さんに話しかけられて足を止める。
「菅原さん、本当に中村くんとお付き合いされてるんですね」
唐突の質問に驚いたけれど、答えた。
「そうですけれど……」
「ふーん、噂は本当だったんですね。じゃぁ深沢課長とはなんでもないんですよね?」
どうしてここで課長の名前が出てくるの?
私の疑問が伝わったのか、大西さんが答えてくれる。
「昨日の夜、私みたんですよ、課長と菅原さんがふたりで駅前を歩いているの」
見られていたんだ……。
駅前という事はあの公園の後だ。あの時はもう既にお互いの手は離れていたはず。
とっさにその時の状況を思い出す。
「……使いたいんですけど、いいですか?」
すると中村くんの背後から女子社員の声が聞こえた。
中村くんが声の方を振り返ると同時に私も顔を確認する。
総務の大西さんだ。ちょっと不機嫌そうに私と中村くんを睨んでいる。
始業前とはいえ、朝の忙しい時間に邪魔になっているんだから睨まれても仕方ない。
「じゃあ、俺行くね。これ、ごちそうさま」
カップを掲げるとそのまま大西さんの脇を抜けて、廊下を歩いて行った。
ここを使うのを待っている人がいる。
私は課長のコーヒーを入れるのを諦めて、大西さんに場所を譲ることにした。
「ここどきますね」
私は自分のマグカップを持って給湯室から出ようとした。
しかし大西さんに話しかけられて足を止める。
「菅原さん、本当に中村くんとお付き合いされてるんですね」
唐突の質問に驚いたけれど、答えた。
「そうですけれど……」
「ふーん、噂は本当だったんですね。じゃぁ深沢課長とはなんでもないんですよね?」
どうしてここで課長の名前が出てくるの?
私の疑問が伝わったのか、大西さんが答えてくれる。
「昨日の夜、私みたんですよ、課長と菅原さんがふたりで駅前を歩いているの」
見られていたんだ……。
駅前という事はあの公園の後だ。あの時はもう既にお互いの手は離れていたはず。
とっさにその時の状況を思い出す。