強引上司の恋の手ほどき
「どういう関係って? それ知って面白いの?」
「もう、わかってて聞くんですか? 特別な関係にあるかってことですよ」
そんなこと……いくら昨日私と課長がふたりでいたのを見たからってこだわりすぎじゃない?彼女の質問の意味が気になり、息をひそめた。
「ただのかわいい部下だよ」
「それだけですか?」
「あぁ、それ以外何があるっていうんだ?」
ガツンと強い力で胸をたたかれたような衝撃が走る。ギュッと胸が潰されたような痛みだ。
なに……どうしたんだろう私。課長は当たり前のことを言っただけだ。
それなのに、どうしてこんなに悲しいって気持ちが胸の中に渦巻くんだろう。
ブルブルと資料を持っていた手が震える。
しかし中ではまだ話が続いていた。
「じゃあ、アタシにも可能性があるってことですよね?」
「ん?」
「アタシ課長のことがずっと好きだったんです。付き合ってください」
彼女のストレートな告白を聞いた瞬間、驚いて手の中にあった書類を落としてしまう。
あっ……どうしよう。
中にいたふたりの視線が、資料をばらまいた私に向かう。
最初こそ驚いた顔のふたりだったが、すぐに大西さんの表情が敵意に満ちたものに変わる。
「お返事は、後で結構です。私の連絡先はご存じですよね? お返事待ってます」
そう言いきると大西さんは、私の前まで歩いてきて立ち止まる。