強引上司の恋の手ほどき
「菅原はどう思う?」
「私ですか……?」
まさか意見が聞かれるとは思っていなかった。どう答えてるべきなのか迷う。
「菅原は、俺がさっきの子と付き合ってもいいと思う?」
どうして私に聞くの? そう聞きたかった。けれど聞けずに、無難な答えをしてしまう。
「課長がいいなら、付き合えばいいと思います」
そうとしか答えようがなかった。私には課長の恋について意見する立場にもないし、アドバイスできるほどの恋愛経験もない。
「ふーん。お前は、俺に彼女ができればいいと思ってるんだな」
いつもよりもずっと低い声に驚き、課長の顔を見る。
いつも笑顔のイメージなのに、今日は眉間に皺を寄せて私を見下ろしていた。
「どうしたんですか……」
いつもと違う雰囲気に圧倒されてしまう。間合いを詰められて、私は一歩ずつ後ずさる。
「お前は、俺があの子と昨日お前としたみたいなデートをしてもいいんだな。手をつないで一緒に飯を食って、抱き合って……」
私の背中が壁にトンっと当たる。もうこれ以上は後ろに下がれない。
追い詰められた私の顔の横に課長が手をついた。
「あの子と、キスして……それ以上のことをしても、お前は構わないんだな?」
課長が言葉を発するたびに、課長と大西さんが触れあうのを想像してしまう。私は我慢できなくなって、ギュッと目をつむって声を上げた。