強引上司の恋の手ほどき
***

そして日曜日。

まだ本調子ではない体を駆使して社内のフットサル大会の会場へと足を運んでいた。

私は今の会社しかしらないが、こういったレクリェーションは多いほうではないかと思う。体調がいい時ならば、張り切って参加するタイプだが今日はもちろん見学だけのつもりだ。

中村くんの彼女としての役割が今日の参加理由だ。

だからスポーティでもなるべく可愛く見えるように、デニムの上に羽織るパーカーはキラキラ光るビジューがついているものにした。いつもはおろしたままの髪も、ゆるい編みこみをしてまとめた。

ちゃんとしないと……。中村くんの彼女としてちゃんとしないと。

私がフットサル場に到着すると、すぐに中村くんが気がついてくれて駆け寄ってきた。

「千波! これたんだね? これ持つよ」

私が両手に持っていた袋を代わりに持ってくれる。

「これ、差し入れ?」

「はい。あの飲み物なんですけど……」

これで正解だったのだろうか。そろりと中村くんの顔色を伺う。

「ありがとう。みんなで飲もう」

ニッコリと笑顔を向けられて、自分の選択が間違っていなかったことに一安心した。
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