強引上司の恋の手ほどき
***
「……わら、菅原」

目を開くと私を覗きこむ課長と目があった。

「あ……」

目覚めたての頭を整理する。

「すみません。私寝てたみたいで」

起き上がろうとする私の背中に手を入れて、手伝ってくれた。

「おかゆ、用意したから食えよ。レトルトだけどな」

こんなときまで強引だ。けれどそこには優しさが詰まっているのを私は知っていた。

差し出されたトレイには、湯気が立ち上る卵粥が乗っていた。

食欲はないけれど、私はスプーンをもって一口、口に入れた。

「おいしい……です」

「まぁレトルトだからな」

「でも、おいしいんです。ありがとうございます」

「あぁ、全部食えよ。それまで帰らないからな。居座ってやる」

言葉使いは乱暴だけど、その言葉は優しい。いつも私のことを思ってくれている言葉だ。

「課長はどうして、そんなに優しいんですか?」

突然の質問に驚いたいたみたいだけど、答えてくれた。

「お前と同じくらいの妹がいるんだ。だから世話焼いちまうんだろうな。ほら、しゃべってないで食え」

私は課長に見守られながら、おかゆを食べる。
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