新選組と最強子供剣士
土方さんに、確認しないと‥‥‥‥


何か、何かわからない。


けど、分かることが1つだけある。


「‥‥‥ぅじ、総司!」


「っ、平助、何?」


「歩くの速ぇよ。何かあったか?」


「まぁ、ちょっとね。平助は気付かなかった?
剣壱君の目‥‥‥平助が『蓮』って名前を出してから、可笑しくなった」


「ずっと?最後の方は、いつもの剣壱だっただろ?」


「いや、多分違うよ」


感情が‥‥‥見えてなかったんだ。


いつもの剣壱君なら、演技でも少し感情を混ぜている。


これは剣壱君自身が言ってたことだから。


だからこそ、剣壱君の演技は現実味のある豊かな表現がある‥‥‥らしい。


でも、さっきの剣壱君は‥‥‥


「もしかして、剣壱君自身も気づいてない、とか?」


「?」


そこから僕は、平助が声をかけるまでずっと1人で考えていた。





*********************





沖田達が見えなくなった。


それを確認した剣壱は、静かに歩きだす。


そして懐から小刀を取り出した。


剣壱の表情は、驚くほどに冷めている。


瞳は何も写していないと錯覚するほど、真っ黒に染まっていた。


今の剣壱には、誰も近づかないだろう。


いや、近づくことができない。


全てを拒絶するかのような雰囲気をまとっている剣壱。

      ・・・
先ほどまで、普通に沖田達と話していたとは思えない。
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