新選組と最強子供剣士
新八さんは、試合などでは本気をださな。


いや、出せないといった方がいいか。


新八さんは実戦で本領を発揮できるタイプ。


新選組のことを思って戦っているというより、
自分の仲間を守るために戦っている。


土方さんとは、ある意味逆のタイプ。


「お前、疲労で倒れたんだろ?休んでなきゃ駄目だろ」


「ううん、ずっと部屋にいるの暇なんだもん。
それより、土方さんの部屋どこだっけ?」


「土方さんか?それなら、この角を曲がったところだぞ」


「ありがとう!」


「剣壱」


「?」


「無理はするなよ」


「うん!」


新八さんと別れ、土方さんの部屋に無事到着。


珍しく襖が開いていて、相変わらず怖い顔をした土方さんの姿が見える。


僕の気配に気づいたのか、僕の方を向いた。


「剣壱?お前、何でいるんだよ」


「やぁ、剣壱君」


眉をさらにひそめて土方さんは言った。


部屋の中には沖田さんの姿も見える。


「もう熱がひいたからだよ。失礼します」


土方さんの部屋に入り、沖田さんの隣に座る。


沖田さんともそこそこいい仲を築いている。


沖田さんとは何かと意見は一緒だし。


普段は冗談などをいう陽気な性格だけど、一回稽古を見せてもらったときは驚いた。


厳しくて、いつもの雰囲気が全然なかった。


「さ、土方さん、約束通り芹沢さんの情報を下さい。そして外出の許可を下さい」


「総司とも今それを話してたんだ。今日外出するなら総司を連れていけ」


「わかりました」
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