帰り道



「着いたよ」


「おう、ありがとな」


腕が解かれ拓哉は原チャから降りた。あたしもメットを外してエンジンを切って降りる。


「ねぇ拓哉何かあったの?」


聞いていいのか迷ったけれど拓哉がこんなに悲しい顔をしているのを見るのは初めてでどうしても気になってしまった。


「……凛」


「ん?」


「今日もお前の親帰り遅いのか?」


予想外の言葉におそらくあたしは随分まぬけな顔をしてしまっていただろう。


いつもはすぐに突っ込みを入れてあたしをからかうくせに今日はやっぱり反応はない。


「まぁ‥遅いかな。だいたい今日は帰ってくるのかなぁ?」


拓哉の家はあたしの家の隣にあってうちの親の仕事のこととかを知っているからか拓哉は昔からいつも家に独りでいるあたしと一緒にいてくれた。


まぁ最近はさすがにもう来なくなったけれど。


「……そっか。じゃあさ久しぶりに凛の家行ってもいい?」


「え?う、うん。いいけど‥」


「んじゃ着替えたら行くから」


そう言うとすぐに拓哉は家の中に入って行った。
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