帰り道



「つーかあのタイミングであんな泣き顔見たら普通気付くっつーの」


そりゃあそうだ。

偶然ハルと高島さんが靴箱に来るのを見た日、あの場には拓哉以外に男はハルしかいなかったわけだしね。わかっちゃうよね。

あたしも変に納得してしまう。


「当たりだろ?」


なんだかもう何を言っても拓哉には通じないと言うか誤魔化しきれない気がしたから


「まぁね」


とだけ言ってやった。



「やっぱなぁー。あいつ、美代のこと好きだろ?」


「え‥」


どうして拓哉が知ってるんだろう‥。

だいたい人の気持ちなんか簡単に教えられないし。


「いや、あたしは‥」


“知らない”と答えようとすると拓哉はあたしの言葉を遮って


「美代から聞いた。凛も知ってるから泣いたんじゃねーの?」


変に鋭い拓哉の言葉に何も言えなくなる。


「…凛も辛い恋してんだな」


それだけ言うとあたしから視線をずらしてまた深くため息をついた。


あたしの恋の話が話題なのにも関わらず拓哉の目が悲しそうなのはハルの話をすると高島さんを思い出してしまうからかな?
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