覇狼


あの日。


家族みんなで旅行に行って帰ってきた日。



母「疲れたわねぇ……」


父「今日は早めに寝よう……」


そう言って荷物をおろす両親。


玄関に入ると、なぜか中に人がいた。


父「なっ何だお前!」


手前にいた母を人質に父を家の中に入れた。


持っていたのはナイフ。


キラリと光ったその刃を忘れられない。



私と葉月は車に隠れて震えてた。



しばらくすると、焦げ臭い匂いがして、家の中から煙が出ていることに気づいた。



葉「パパッママッ」



泣きながら車を降りてった葉月を慌てて追いかける。


炎はすでに玄関まで広がってた。



むせながらリビングに行くと、人が倒れてた。



見覚えのある白いワンピースは真っ赤に染まってた。



葉「ママッ!!?」


駆け寄る葉月に、ナイフをもった男は見えてなかった。


『はづき!!!!』



慌てて腕を引っ張って玄関に走り出す。



でも、子供の私達に男を振りきれるほどのスピードなんてない。


簡単に捕まってしまった。




先に捕まったのは後ろを走ってた葉月だった。


ナイフを振りかざす男に思いっきり体当たりした。


捕まってた葉月は放り出されて………


今しかない、と思った。


『にげろ!!!』



しばらくすると男が苦しみだしたから………


葉月、


アナタが逃げ延びたことを信じて、


私も走った。



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