覇狼


【春樹side】


壮絶な過去を語った呉葉は、小さく震えていた。



頭を抱えて震える葉月に、そっと寄り添う女を見て、安心したような、悲しそうな顔をする。



今にも消えてしまいそうで、怖かった。



正直、人を好きになるのは初めてで。


ここまで入れこむなんて思っても見なかった。


人を愛することは厄介だと思う。


それは、愛する人を失う恐怖心を与えられるから。



何か、繋ぎ止めておけるもの………


と考えてると、今まで震えてた葉月がガタッと立った。


葉「………ち、がう………」



のそりと俺の座るソファに歩いてくる。


俺の隣には呉葉が座ってる。


葉月は呉葉に歩み寄る。


そして、呉葉の前にしゃがんだ。





葉「ごめんね、ねぇちゃん………」



そう言って、今まで顔半分を隠していた髪を上げた。


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