恋愛ケータイ小説倶楽部
その言葉に私の動作が一瞬でピタリ、と固まった。


このフロアに人の気配はないし、その言葉はたぶん、私に向かって発せられている。


こ……これは俗に言うナンパというやつだろうか。


それにしても人生初のナンパがなんと本屋でって。


なんという渋さなのだろう。


私は恐る恐る真横にいる人の顔を確認すべく天を仰いだ。


「って、大川先生!?」


「くくっまさか、こんなところで会うなんてな」


先生は驚きで目を見開きパチパチさせていた私を見て、声を出して笑っていた。


どうしてだろう。


これはただの偶然。


それなのに恋する乙女の頭は都合がよく出来ていて。


これはただの偶然なのに


"運命"なのではないかと


容易に錯覚を起こしてしまう。


< 148 / 217 >

この作品をシェア

pagetop