超能力者も恋をする


「よし、謝る事は出来たからそれはよし、と。
次は今の間宮の事だけど、お前何かあったの?」
亮太は、真っ直ぐすみれを見て聞いてきた。その鋭さにドキッと心臓が慌てて跳ねた。
「今の間宮、中学の時俺が怒って避けてた時と同じ辛そうな顔してるぞ。何かあったんだろ。出来る事なら協力するから言ってみ?」

すみれの事を変わって無いと言っていたが、そういう亮太も口は悪いが根は優しい事は変わっていない。その優しさが胸にグッとくる。
それに、先輩との事や、美弥の事、嫌がらせの事など、もう自分の中だけでは抱え切れなくなっていて、堪えきれずに涙が溢れてきてしまった。
自分だけでは収まりがつかないこの状況を亮太に始めから全て話した。
亮太はうんうんと、相槌を打ちながらきちんとすみれの話を聞いてくれた。

そして、マスターに介抱して貰った所までやっと話した。話終わると、それだけでも少し心がすっと軽くなった様だった。
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