メシトモ!
「別に私はなにもしてないよ」

 そういうと佐々木さんは照れたように髪の毛を掻いた。

「ねえ、また靴下違うよ」

「あ、朝は履き替えたときだ。昨日はちゃんと同じの履いてたんだけど」

「そうだね」

「もしかして、毎回、僕の靴下見てる?」

「うん。佐々木さんに会ったときの日課だから。じゃあね」

 何回も見送った青信号をやっと渡った。

   ◆◆◆

「宏実、最近なんかあった」

 食堂でお昼ご飯の中華丼を食べていると、目の前に座っている加絵がにやにやしながら聞いてきた。

「なにもない」

「嘘だー。憂いた色気が漂っていますよ。その色気の原因はなにかしら」

 カルボナーラをフォークで巻き取りながら、私の様子を窺ってくる。

「憂いた色気って初めて聞いたよ。そんなの存在しないでしょ」
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