メシトモ!
「あの」

 突然、腕を掴まれた。振り向くとサキさんがいた。

「突然ごめんなさい。先日、佐々木君と一緒にいた方ですよね」

「はい」

「このあと少しお時間をいただけませんか?」

 なにかを察した加絵が「行ったほうがいいよ」と言って、ひとり出口へと行ってしまった。

「わかりました。どこかに入りましょうか」

「ありがとうございます」

 私たちはギャラリーから出て、すぐ近くにあったコーヒーショップに入った。それぞれ会計を済まし、空いているテーブルに向かい合って座る。

 熱いコーヒーを口に入れると、舌先を火傷しそうになった。

「私、小野紗希と言います。突然、このようなことを、大変失礼いたしました」

「いえ。杉山宏実です」

 なんとも重い空気だ。世間話をするような状況でもない。いたたまれない気持ちになる。
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