メシトモ!
 佐々木さんは驚いた顔をしてこっちを見た。

「紗希に?」

「うん。二人が別れて理由も聞いた」

「そっか」

「もう、驚くことばっかりだよ。佐々木さんと連絡がとれなくなってから。そのくせ涼太とは連絡とってたんだよね」

 無意識に窓の外を見つめた。実家を出たときは夕暮れだったのに、もう真っ暗になっていた。窓は鏡のようになっていて、不機嫌な顔をして私が映っている。

「ごめん、なにも話さなくて。"Maria Afternoon"のデザイナーは僕だ。それとビジネスパートナーとして広報や営業をしている田崎さんと二人で"Maria Afternoon"をやっている。田崎さんと僕の叔父が友人なんだ。そして僕の働いているアパレル会社の社長も叔父なんだ。叔父は僕がウェディングドレスよりもドレスが作りたいことを知っていて、副業として"Maria Afternoon"のことを進めてくれたんだ。まさかこんなに反響があるとは思わなかったよ。"Maria Afternoon"は僕にとっても田崎さんにとっても副業だったから」

 佐々木さんは淡々と話しているが、すごいプロフィールが明かされた。佐々木さんは会社の社長の甥で、"Maria Afternoon"が副業。副業が世界を股に掛けていているって。

 ひとり戸惑っている私を余所に、佐々木さんは話を続けた。
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