メシトモ!
そのためショーでも、角隠しや綿帽子などの定番の和装とここ最近の人気の和装の両方をモデルさんには着てもらっている。
そのリハーサルを佐々木さんは相変わらず無表情で見ていた。会場の隅で、壁に寄り掛かり腕を組む姿は、いかにもデザイナーという感じがした。
午前に準備が終わり、休憩時間に更衣室に行って服を着替えた。
レストラン担当とブライダル担当の制服は少しデザインが違う。ブラウスの上に着ているベストが、レストランは背中全体が黒と濃いグレーのボーダーで、ブライダルは前も後ろも同じ黒だ。前から見れば同じだけど、後ろが少し違うのだ。
今日だけ支給されたベストに腕を通す。この行動だけで少し気合いが入った。
フェアの会場へ戻ろうとしたとき、鞄からスマホのマナー音が聞こえた。スマホを手に取り、画面を見ると涼太からだった。
「もしもし、どうしたの?」
「あ、姉ちゃん。実はさ、家の鍵を曲げちゃって使えないんだ。今、ホテルのロビーに居るんだけど、家の鍵貸してくれない? 忙しいなら、この辺で時間つぶして、姉ちゃんの仕事が落ち着くころにまた来るし」
時計を見ると私の会場入りの時間まで、あと十分ある。これなら鍵くらいは渡せるだろう。
そのリハーサルを佐々木さんは相変わらず無表情で見ていた。会場の隅で、壁に寄り掛かり腕を組む姿は、いかにもデザイナーという感じがした。
午前に準備が終わり、休憩時間に更衣室に行って服を着替えた。
レストラン担当とブライダル担当の制服は少しデザインが違う。ブラウスの上に着ているベストが、レストランは背中全体が黒と濃いグレーのボーダーで、ブライダルは前も後ろも同じ黒だ。前から見れば同じだけど、後ろが少し違うのだ。
今日だけ支給されたベストに腕を通す。この行動だけで少し気合いが入った。
フェアの会場へ戻ろうとしたとき、鞄からスマホのマナー音が聞こえた。スマホを手に取り、画面を見ると涼太からだった。
「もしもし、どうしたの?」
「あ、姉ちゃん。実はさ、家の鍵を曲げちゃって使えないんだ。今、ホテルのロビーに居るんだけど、家の鍵貸してくれない? 忙しいなら、この辺で時間つぶして、姉ちゃんの仕事が落ち着くころにまた来るし」
時計を見ると私の会場入りの時間まで、あと十分ある。これなら鍵くらいは渡せるだろう。