メシトモ!
「あの、食事のことなんですけど、大学の先輩が研究データの集計を手伝ってほしいって言われて、今から先輩の家に行くことになっちゃたんですよ」

「それなら仕方ない。今度、デザインの話をじっくりしながら食事でもしよう」

「はい、是非。あの、これ僕の番号です」

 涼太は小さなメモを佐々木さんに渡した。佐々木さんはそれを自分のカードケースにしまい「電話待っているよ」と言った。涼太は嬉しそうに「はい」と返事をしていた。

「姉ちゃん、ごめん。夕飯の約束」

「いいよ、今度で。ほら、早く行きなさい。先輩が困ってるんでしょ」

「うん。じゃあ、これで失礼します」

 涼太は自動ドアを通り抜け、駅の方向へと走って行った。

「せっかくですから二人で行きませんか?」と、佐々木さんは涼太が見えなくなると私に言った。

「そうですね」

 佐々木さんと肩を並べて、ホテルを出た。空はきれいなオレンジ色だった。

「五月に入ってから、日が長くなってきましよね」

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