メシトモ!
 そう言った佐々木さんはなんとも楽しそうな顔だった。

「なんだか腹黒い顔していますよ」

「そうかも。こういう話をして、涼太君はどんな反応をするんだろうなと思って。彼の性格だと真摯に受け止めて、それでも建築家って道に進むんだろうね」

「たぶんそうでしょうね。あの子、根性と忍耐力は家族の中で一番持っていますから」

 佐々木さんは「へえ」と言って、残り少なくなったパスタを口へ運んだ。

 食事が終わり、最後にコーヒーを飲みながら、もう一度ダイヤモンドゲームを始めた。

「せっかくゲームをするんだから、なにか賭けようか?」

 駒を並べているとき、佐々木さんが言ってきた。

「なにを賭けるんですか?」

「そうだな、負けた方が勝った方の言うことを三つ聞く」

「えー、三つもですか? 多いですよ。普通、一つでしょ」

「一つなら賭けをしてもいいってことだよね?」

 これは嵌められた。三つに文句を言ってしまったことで、賭けを承知したような感じになってしまった。佐々木さんって、案外、策士なのだろうか。

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