メシトモ!
「うん」

 あまりに佐々木さんと密接した状態で、それ以上なにかを話すことはできなかった。

 窮屈な電車から解放されると、佐々木さんとの距離が通常に戻り落ち着いた。

 改札を出ると、佐々木さんは「僕はこっちだから」と言って、バスターミナルの方を指差した。

「はい。今日はありがとうございました。次も楽しみにしています」

「うん、今度は杉山さんの行きたいお店に行こう」

「はい」

「あと僕の指令、忘れているよ」

 あ、敬語だ。ずっと敬語だった。忘れてたと言うか、これが自然だった。

「気をつける。佐々木さん、お休みなさい」

 私は指令通りに敬語をやめた。佐々木さんは笑いをこらえながら「ああ、お休みなさい」と言った。

 私、また変な顔したんだ。

 右手を軽く振った佐々木さんは、そのままバスターミナルへと歩いて行った。私もバスターミナルとは反対方向にある階段へと向かった。

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