メシトモ!
 ジュースまみれになってしまった、フォークやスプーンを回収して、テーブルをフキンで拭いた。使用済みのおしぼりやペーパーナプキンも回収し、テーブルが元通り戻った。

「すみませんでした」

 お母さんは、お子さんの手を拭きながら言った。

「お気になさらないでください。新しいジュースをお持ちしますか?」

「はい。オレンジジュースをお願いします」

「かしこまりました」

 私がテーブルを離れようとしたとき、お子さんが小さな声で「ごめんなさい」と言った。

 私は目線の高さを合わせるために、体を少し前屈みにした。

「大丈夫だよ」

 そう言うと「うん」と言って、笑ってくれた。

 あとでオレンジジュースを持っていくと「ありがとう」とお子さんに言われた。

 仕事が終わり、駅へ向って歩いていると、後ろから近藤さんがやってきた。

「お疲れ」

「お疲れ様です」

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