あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
でも…。
ネクタイの代金だって私が払ったわけじゃない。
私はきょろきょろする。
「じゃあ、私にもプレゼントさせて下さい。…ネクタイピンなんてどうですか?」
とっさに目についたネクタイピン。
小さな宝石の入ったものなら何とか買えそう。
私はお財布の中のクレジットカードを思い出す。
普段使う機会がほとんどないんだもの。
こういう時くらい利用しなくちゃ。
「予算は大丈夫かい?」
からかうように郁也さんが言う。
やっぱり私の考えている事なんてお見通しみたい。
「じゃあ、そう言う事でお互いのプレゼントという事にしましょう。」
私はそう言うと、ゆっくり歩きながらペンダントを見た。
あまり熱心に見るのも恥ずかしいな。