あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

でも…。

ネクタイの代金だって私が払ったわけじゃない。

私はきょろきょろする。

「じゃあ、私にもプレゼントさせて下さい。…ネクタイピンなんてどうですか?」

とっさに目についたネクタイピン。

小さな宝石の入ったものなら何とか買えそう。

私はお財布の中のクレジットカードを思い出す。

普段使う機会がほとんどないんだもの。

こういう時くらい利用しなくちゃ。

「予算は大丈夫かい?」

からかうように郁也さんが言う。

やっぱり私の考えている事なんてお見通しみたい。

「じゃあ、そう言う事でお互いのプレゼントという事にしましょう。」

私はそう言うと、ゆっくり歩きながらペンダントを見た。

あまり熱心に見るのも恥ずかしいな。
< 182 / 400 >

この作品をシェア

pagetop