あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
郁也は少し離れた所でネクタイピンを見ていた。
「あっ。」
思わず目を奪われた一つのペンダント。
小さなピンクの薄い宝石。
凝ったデザインではないんだけど、心を奪われた。
説明を聞くとピンクトルマリンらしい。
偶然だが私の誕生石だ。
嬉しそうな私の様子を見てこちらに近づいてきた郁也にその事を伝えた。
「萌香の誕生日っていつなの?」
郁也が聞いた。
「実は…、10月なの。郁也もそうだよね。」
退職の書類を作る時に調べた郁也の誕生日。
「そうなんだ。いつ?」
「私は10月18日です。」
「俺より少し早いんだな。よし、これに決めよう。」