あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

「聞こえないんですけど…。」

私はビールを飲み干して、気が少し大きくなっているようだ。

「萌香が欲しい…。」

今度はハッキリ聞こえた。

聞き間違い?

それとも…。

「あの、そういう冗談は置いといてですね…。」

私はからかわれているのだと思った。

「私が買い物に行くんです。だから欲しい物を教えて下さい。」

少しムキになって私はさらに聞いた。

ますます難しい顔になっていく佐川さん。

そしてついに立ち上がった。

「萌香、出るぞ。」

そう言って私の腕を掴む。

「だってまだ注文したものも残っているのに…。」
< 44 / 400 >

この作品をシェア

pagetop