あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「聞こえないんですけど…。」
私はビールを飲み干して、気が少し大きくなっているようだ。
「萌香が欲しい…。」
今度はハッキリ聞こえた。
聞き間違い?
それとも…。
「あの、そういう冗談は置いといてですね…。」
私はからかわれているのだと思った。
「私が買い物に行くんです。だから欲しい物を教えて下さい。」
少しムキになって私はさらに聞いた。
ますます難しい顔になっていく佐川さん。
そしてついに立ち上がった。
「萌香、出るぞ。」
そう言って私の腕を掴む。
「だってまだ注文したものも残っているのに…。」